2022年2月1日の練習試合 ジュビロ磐田vs清水エスパルス1本目30分の感想

 2月1日に行われた磐田との練習試合がジュビロ磐田YouTubeで配信された。

 シーズン前の公開練習試合なのでここで見えることが全てではないだろう。しかし試合には少なからずチームのやりたいことが表れるはずだ。そこで試合自体の流れより攻守にどんな特徴が見られるか、各々選手のプレーはどうなのかに注視したいと思う。

 

 まずは1本目のメンバー。清水のフォーメーションは1-4-4-2。磐田は1-3-4-2-1のよう。

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清水、後ろで保持した時にボランチを降ろさない。序盤は1-4-3-3の配置で保持している(アンカー宮本、左IH竹内、右IH唯人)。

WGは明確にはサイドに張っていない。完全に絞っているわけではないが、やや内で受けようとすることが多い。

磐田の非保持は1-5-4-1。前からはプレスにこない。ミドルゾーンに入ったらボールに寄せてくる守備。

ゆえに清水のCBは割とフリーで持てる。清水はSBを高く上げずに後方のビルドアップに参加する。

磐田は1トップ周辺に運ばれたら中盤が前に出てきてプレス。SBに出たらシャドーがスライドしてプレスにくる。磐田のシャドーは始め絞って縦パスを消すポジション取り。守備の狙いとしては中を消してサイドに出させてはめ込みたいようだ。

3:00、ヴァウドが運んで大津と遠藤引き付けて右SB岸本を空ける。そこから相手を縦ずれさせた。まずはこの動きでずらせるといいかもしれない。

 

磐田の保持は右のCB伊藤がサイドライン際を上がりSBのような動きをする。大井、袴田のCB2枚と上原で後方保持。右サイドは伊藤、鈴木、山田がローテーションするようにポジション移動。この3枚のポジション取りでボールを動かしたそうだ。この時、左シャドーの大津は大外に張っていた。

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清水は2トップ脇で受ける磐田の選手に対してはボランチが出ていく。磐田はポジション移動で清水のボランチの空けた位置に人が入ってくる。これで2列目を越えられる場面が何度か。ただしプレスバック、周囲のスライドでの寄せで素早く対応できているのでそこまで問題にはなっていない。

442でしっかりスライドすること、中盤でボールに対してしっかり寄せることは昨年から継続して意識されているようだ。

 

序盤以降、清水の保持は1-4-3-3でなく、1-4-4-2でSHが内側に絞る形の保持になっている。竹内はIHになるよりボランチの位置の方がボールに絡めるのでやりやすそう。ボランチが1トップ周辺で受ける、また前から列を降りて受けてはたいて回していく。時間が進むにつれ降りて受ける動きが多くなる。

2列目にボランチ2枚いる方が相手を絞らせてSBにスペースを与えることができる。SBがフリーになりこの形の方がボールの循環はよかった。

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相手の中盤が4枚、そして1トップ周辺には中盤の選手が積極的に出ていく特徴も加味して、あえて442での保持に変えたのか。そうだとすれば相手の動きを見ながら修正することができていることで前向きな要素だと思う。

23:30、ヴァウド、宮本、右の裏で神谷(19分から滝と左右を入れ替えていた)と動かしてクロス。ここもヴァウドが引き付けて縦ずれさせた。やはりこれも意図的に狙った動きなのだろうか。

 

CKの守備はゾーン。ニアポストとストーンを置いて、4-3でゾーンを組む形。神谷がショートコーナー対応兼カウンター要因。唯人が前列の中央にいる。20分の磐田のコーナーでははじいたボールを神谷が運んで中央を上がっていく唯人にパス(通らなかったけど)。ここは狙い通りだったと思う。

 

磐田は右サイドを可変するためか、非カウンターで右サイドを突かれることが多い(本当にその理由かはわからん)。1本目の終盤には清水が左サイドからのカウンター。そして右から中央に入ってきた神谷がフィニッシュを狙った。

神谷はライン間でトップ下に近い役割をしてもらうのがよさげに見える。右に回って中央に侵入している時間の方がボールに絡めている。

 

基本的にサイド裏を狙っての速い攻撃とポジトラ時に生じているスペースを素早く使う攻撃がチャンスに繋がっている。これは昨年のラスト4試合と同じ特徴だ。それにプラスアルファするための433保持だったのかもしれない。ただし433ではそこまで中盤がボールに絡めていない。そうなると必然的にボールの循環は外回りになり、保持でSBがいかに起点になれるがが大事そう。

その点で右SBに入った岸本は適した選手だと思う。保持時の周囲を見ながらのポジション取りが的確で、ボールも前に運べる。守備でもヴァウドがスライドした内側を素早くカバーしたり、カウンター時にただ戻るだけでなく中盤に絞って相手の起点を潰すプレーを見せていた。原と高いレベルでのポジション争いができそうだ。

 

コロリの前線での守備は誘導の仕方、周りを見てのポジション取り等、上手いなと感じた。やはり442で如何に守れるかにかかっていると思うのでFW起用でもいいかもしれない。他の選手との絡みにはなるが。

 

昨年のラスト4試合で見せた良い面は継続できていた。後はこれからそれに上積みする部分をどうバランスよくプラスできるか。

 

2本目以降は違う姿を見せるかもしれないが、とりあえず1本目だけ。