マッチレポートという名の雑感【明治安田J1百年構想リーグ 第2節 清水エスパルスvs京都サンガ】

明治安田百年J1構想リーグ第2節清水エスパルス対京都サンガの試合の感想です。

 

先日Xのスペースでこの試合の感想を話ました。その時の下書きを軽くまとめた内容です。僕のどちゃくそ下手くそなトークは下のリンク。

https://x.com/i/spaces/1mrGmBBBnAvJy

 

ということでまずは両チームのメンバー。

 エスパルスは前節から2人のメンバー変更。名古屋戦に出場したインサイドハーフの松崎、宇野選手に代わって千葉、小塚選手がスタメンに入りました。

 

 京都は左インサイドハーフの平岡選手と左サイドバックの須貝選手が前節からのメンバー変更です。去年の対戦した時と比べると移籍やレンタルバックで抜けた選手以外にも何人か変更されていますが、監督は代わってないので基本的には去年と同じスタイルだろうなという予想はできました。

 

 さて試合を観ていきましょう。

 どちらのチームもダイレクトな攻撃を志向しているので、後ろで無理に繋がず長いボールを入れていく傾向となっていました。

 なのでゲームの全体の流れとしては、行ったり来たりが激しいトランジションゲームの構図になっていたと思います。

 

 まずエスパルスから見ていきます。

 エスパルスは後ろで持ったらターゲットをオ・セフン選手に設定して長いボールを入れていきます。インサイドハーフ(千葉選手、小塚選手)はオ・セフン選手の近くまで押し上げて攻撃をフォローしつつ、ボールがこぼれたら即座にアタックできるよう攻守の切り替えに備えるポジションを取っています。

 ウィングはワイドに張るよりハーフスペースの辺りまで中に入ってきてゴールを狙えるような位置取りです。


 この配置で、高い位置に起点を作ってゴールに向かう。ネガティブトランジションでも即時奪回できる。そんな設計を作っているように見えました。

 

 ここまでは前節の名古屋戦と同じですが、名古屋戦ではオ・セフン選手に当てた後の連携がまだ未整備で、少し単調な攻撃になっていました。結果、松崎選手やカピシャーバ選手が相手の守備に単独で突っ込んでくような形になり、相手陣内でプレーできてはいたものの決定機はあまり作れない。そんな流れになっていたと思います。

 

 松崎選手は一人で相手の守備に突っ込んで打開してというプレースタイルではないですし、得意のカットインからのシュートは左利きの左インサイドハーフなので難しい。

 宇野選手にしても前にスペースがあった方が推進力が出しやすい選手で、相手が構えている守備ブロックの中でボールを持っても中々持ち味を出せないという名古屋戦の内容だったと思います。

 

 そこで今節インサイドハーフに入った千葉選手ですが、元来フォワードの選手で多少相手がいても強引にゴールに向かえますし、ある程度相手も背負えます。

 この設計でまだ崩しの連携がそこまでできていないとなると、ボールを持った後に一人で1回ゴールに向かえる選手の方が今の段階だと上手く回るような気がしました。

 小塚選手も単調な流れの中で貯めだったり、ボールを循環させる部分を個人の技能やアイデアで補ってくれます。

 全体の設計はできてるけど細かい部分の完成度がまだ足りない今のチームの進捗状況では、このインサイドハーフのコンビの方がチームの足りない部分を上手く補えるのかなという印象です。

 

 あとはシステム的なところで、京都は基本システム4-3-3で非保持の時も4-3-3のまま守る形になっています。つまり中盤の底はアンカー一人で守っているので、千葉選手が京都のアンカー斎藤選手を外すとそのままCBまで仕掛けていけるという形にはなっています。

 さらに京都のアンカー斎藤選手は、バイタル付近で構えているよりかなりカバーに動く傾向が見て取れます。

例えばエスパルスがオ・セフン選手にボールを当てた時、CB鈴木義宜選手が出てくる。すると斎藤選手は鈴木選手が出た後ろのスペースのカバーに入る動きを見せる。そうなると千葉選手へのマークは薄くなるので千葉選手が動きやすい。千葉選手がゴール前まで仕掛けていけたのは、そういった影響もあったのではないかと思いました。

 千葉選手は試合途中から、ロングボールに対してもフォワードの位置まで出てることが多くなっていきました。これは相手の配置を見ながら、自分は前に出た方が良さそうだなというのを感じとっていたのかもしれません。

 こんな感じで名古屋戦とは違い、インサイドハーフの選手がゴール前まで迫れていたエスパルスの攻撃になっていたと思います。

 

 あともう一つ京都が4バックだったことの影響ですが、オ・セフン選手に当てた時に守備ブロックがカバーのため中に寄るのでワイドの北川選手が空きやすい傾向はあったと思います。

 またオ・セフン選手と千葉選手と中に2つポイントがあるので北川選手はそこまでストライカー的な位置には入らず、ワイドで仕掛けてクロスみたいなシーンも前節より作れていました。

 

 ただ少しもったいなかったのが、北川選手とサイドバックの日髙選手の連携がまだ上手く取れていないように見えたことです。北川選手がワイドで持った時に日髙選手が上がってくれば京都のサイドバック須貝選手に対して2対1の状況を作れますが、これをもっと上手く利用できればなという場面が何回か見られました。

 

 例えば、39分に日髙選手がサイドの高い位置でボール持った場面。須貝選手が日髙選手に出てきた時に、北川選手が上手くセンターバック鈴木選手を外して須貝選手と鈴木選手の間のスペースに流れてボールを要求していました。しかし日髙は一人で仕掛けてクロスを上げるもオーバーしてボールはアウト。この時、簡単に北川選手にボールを流してあげれば北川選手が内側からクロスを上げられるので、よりチャンスの可能性を高められたのではないかと思います。

 

 積極的に仕掛ける姿勢自体は決して悪くありません。ただ上手く連携すればより可能性が高い形が何回かあったので少しもったいないと思いました。まあ細かい連携はこれからでしょうし、修正場面についてチームからも振り返りがある思うので今後のプレーに期待したいです。

 

 あともう一つ。非保持プレスのところ。京都はロングボールが多かったので、そんなに問題にはなっていませんでしたが、気になったプレーがあったので少し触れたいと思います。

 エスパルスは基本的にウィングが外切りでプレスをしていますが、特にカピシャーバ選手が外切りで出てきた時にその背後を使われる場面が気になります。

 この試合でいうと例えば15分の清水の非保持の場面ですね。この時は京都のサイドバックの位置が低かったので前進はされませんでしたが、カピシャーバ選手の後ろで福田選手がフリーになってます。

 また25分30秒のところ。カピシャーバ選手が外切りプレスにいく。前にコースがあるのでアピアタウィア選手がジョアンペドロ選手に縦パスを入れる、ジョアンペドロ選手がダイレクトでサイドに叩いてプレス回避成功。カピシャーバ選手の背後でまた福田選手がフリーでボールを受けています。

 このような一回縦に入れてワンタッチでサイドや、浮き球でカピシャーバ選手の頭を越えてサイドバックへなど、J1チームはどこも外切りプレスの回避方法を持っているような気もします。

 名古屋戦でもカピシャーバ選手の背後で原選手がフリーになってそこからチャンスを何回が作られていたのでちょっと気になるところです。清水の方もここは今後に何らかの対応はすると思いますので、そこはこの後の試合の注目ポイントの一つとして見ていきたいと思います。

 

 次に京都についても見ていきます。京都の保持も基本はロングボールで、3トップがわりと真ん中の方まで入ってきて、サイドの方、例えばマルコトゥーリオ選手になんかにロングボールを後ろから当てることが多いように見えました。

 そこから幅広く攻撃するより、ボールを入れたレーンに集まって素早くゴールを目指す。そんな攻撃に見えました。

 またラファエルエリアス選手はターゲットという感じではありませんでした。当てたボールを受けてフィニッシャーになったり、ラストパスを出すような最後のプレーに関わせる意図なのかもしれません。

 京都の前線は独力で持っていけるバワーやスピードがある選手ばかりで、3トップやインサイドハーフの選手が躊躇なくどんどん前にいくところが脅威でした。ということで京都も何回かゴール前に迫っていたという流れでした。

 

 ただやっぱりダイレクトで早い攻撃なので、攻守が入れ替わると後ろにスペースがあってすぐに逆に相手の攻撃になってしまう。そんな傾向はありました。

 行ったり来たりで逆襲を食らいやすいのはエスパルスもなんですけど、エスパルスの方が両サイドバックが同時に上がることが少ないので、その分若干カウンターでの安定はあるようにも感じました。

 とりあえず前半はこんなところです。スコアレスで前半を折り返して後半に向かうことになります。

 

 後半を観ていきます。後半はあまり詳しく観てないので簡単に。

 まず京都が選手交代。アンカーの齋藤選手に代えて米本選手。左インサイドハーフの平岡選手に代えて平戸選手が入りました。

 齋藤選手に代えて米本選手は、前半に触れた千葉選手がアンカーを外すとそのままゴールに向かえるという部分。おそらく対人で強さのある米本選手でそこをカバーしたい意図なのかなと思いました。

 平戸選手に関しては、名古屋戦で宇野選手から小塚選手に代えたのと近いかなと。平岡選手があまりボールに絡めていなかったので、ボールを引き出して長いボールだけでなく変化も付けたい意図でしょうか。昨年対戦時には平戸選手に上手くボールを動かされたイメージが残っています。

 

 後半すぐにエスパルスがオウンでゴールを奪いましたが、ここもトランジション、お互い前に入れて行ったり来たりしたとこからゴールが生まれています。

 もう少し細かく見るとサイドの北川選手にボールが入った時に相手のサイドバック須貝選手が出てくる。その時のセンターバックとの間が開いてそのギャップに小塚選手が入ってクロス。これがオウンゴールを誘ってエスパルスが先制です。

 見方によっては、39分に日高選手が持って北川選手がギャップ取った時と同じ形ですね。今度は北川選手がギャップに入った小塚選手にパスを出して小塚選手が内側からクロス。やっぱり内側からクロスを上げた方が点に繋がりやすいなというのは感じたプレーでした。

 

 ここからは本当にざっくり。

 京都は58分に左フォワードの新井選手に代えて奥川選手。奥川選手が入ってから京都はサイドから攻撃できるようになったように見えました。例えば60:45の奥川選手が日髙選手に仕掛け、その外を須貝選手が上がっていく形です。

 奥川選手はスペースに向かうだけでなく相手に対峙して仕掛けられるのでサイドの2対1を上手く作れるように見えました。こんな感じで京都がサイドも使えた方がエスパルスは対応しづらかったと思います。エスパルスはディフェンスが横にコンパクトなのでサイドにポイントは作りやすいかもしれません。

 

 この後、63分のジェラ選手のゴールがオフサイドになったシーンがあったりして、お互い選手交代もあり、エスパルスが79分に千葉、小塚選手に代えて髙橋、弓場選手。たぶんここからエスパルスは4-4-2にしたように見えます。どちらかというともう1点取るぞというより、残り10分は固くいこうという交代じゃないかなと思います。

 

 そうなると京都の方が少し押しているかなという流れになりました。最後アディショナルタイムに大畑選手が自陣右サイドでクリアしようとしたボールを奪われてエリアス選手のゴールが決まります。結局90分では1対1で終了しましたという流れでした。

 

 PKはこのリーグの特別なレギュレーションなのでそんなに気にしてませんが残念な結果ではありました。あと最後に選手交代して少し押されたようにも感じましたが、1点リードで固くいくのは普通にありだと思いますし、そんなに悪い流れでもなかったと思います。