J1百年構想リーグ第3節清水エスパルス対ヴィッセル神戸の雑感です。
今回もほぼほぼスペースで話したのでそれをまとめるだけで。またもや下手くそな僕のトークは下のリンク。
https://x.com/hipokotms/status/2026961713195897094?s=20

エスパルスのスタメンは前節と同じ。前節、内容的にはやりたい形ができていたということで継続なんだろうと思います。現状、このメンバーがスタメン争いを一歩リードといったところでしょうか。
神戸はおそらく乾選手がトップ下の4231。ワントップには小松蓮選手。J2で秋田と対戦した時に身体を張ってハードワークできるいい選手だなと思ったのを記憶しています。
それでは試合を見ていきます。
エスパルスの保持はここまでの試合同様、ボールを持ったらまずオセフン選手に長いボール。その周辺にセカンドを拾えるよう中盤の選手が押し上げる。そしてオセフン選手がボールを収めたり、こぼれてもセカンドを素早く回収してダイレクトにゴールに向かっていく形です。
この保持からゴールに向かう、そしてネガトラが起きても即座にプレスにいく仕組みはすでにある程度はできているといえそうです。
そして前節に引き続きこの試合でも良いプレーを見せてくれたのが千葉選手でした。千葉選手のプレースタイルは今のエスパルスの戦術にとてもマッチしている印象で、難しいことを考えず彼のプレーをそのまま出せば求められるタスクに適合する、おそらくそんな感じなんじゃないかなと思います。
一方、神戸を見るとボールを持ったらエスパルスとほぼ似たような形ですね。長いボールをCF小松蓮選手に集めて、トップ下の乾選手とボランチの片方が上がってサポートしています。
両サイドの武藤選手と佐々木選手は内側に入ってきて小松選手が競ったボールを受けてゴールに向かう。これは昨年までの神戸のやり方(つまり今年のエスパルス)と似ていて、スキッベ監督は自分のゲームモデルに当てはめるというより、今あるベースを生かしながらチームを作っていくタイプの監督なのかなという気もしました。
お互いに似たスタイルでゲームが進む中で、先ほども言ったように千葉選手が前を向いて仕掛けるプレーが目立っていました。
千葉選手が前向きに仕掛けられる理由の一つには、プレス時の神戸の位置取りも関係しているのではないかと思います。
神戸は割と前からプレスにきていて、前の3枚に連動して井手口選手がアンカーのブエノ選手のところまで出てきます。その時にCFオセフン選手が上手く深さを取っているので、少しボランチとCBの間が開いて、ボランチの裏で千葉選手がボールを受けられる。そんな形になっているように見えました。
例えば8:50の辺りのプレーもそうですね。この時は井手口選手が即座に対応したので千葉選手は裏に抜けられませんでしたが、それとほぼ同じ形でボールを受けた31分には前向きでボールを受けた千葉選手を井手口選手が引っ掛けてイエローカードが提示されました。
そして18分。神戸のセンターバック山川選手が裏に抜け出そうとした千葉選手を引っ張ってレッドカード。
この時は神戸の非保持プレスではなく保持がスタートでしたが、特徴的なプレーが見えたのでもう少し詳しく触れておきます。
神戸は保持時に左サイドバック永戸選手がたびたびインサイドレーンに上がっていくプレーが見られました。その時にボランチの鍬先選手が左に寄ってパスを出し入れています。
左ワイドにウイングの佐々木選手、インサイドに永戸選手、そしてその下に鍬先選手と左側で逆三角形みたいな形を作って組み立てる。もしかしたらこれは神戸のボール保持の特徴なのかなとも思いました。
さらにこの時、井手口選手は真ん中の前のほうに上がっていて、おそらく左で作った攻撃の折り返しを狙ったり、こぼれた時のネガトラでの回収のために押し上げているのだろうと思います。
鍬先選手が左サイド側で攻撃を組み立て、井手口選手は前に押し上げているのでボランチが真ん中から動いています。この状態で神戸のネガトラ(エスパルスのポジトラ)が起こると千葉選手がボランチの後ろでフリー。
さらにオセフン選手をトゥーレル選手が見て、山川選手は少し下がったそこカバー的な位置。なのでボランチとセンターバックの間が開いて千葉選手が前向きフリーで仕掛けられる。山川選手は抜かれそうになったので思わず引っ張ってしまいレッドカード。こんな流れでした。
一方、パスをカットしたエスパルスの守備もとても良かったのでそこも触れておきます。
神戸が左サイドでパスを繋いだ時に住吉選手がサイドまで流れて対応したので、本多選手との間が開いた状態でした。その時、小塚選手が下がってその間をスムーズに埋めてボールをカット。
昨年までのエスパルスだとディフェンスラインのギャップを割と放置気味で、そこを使われたりが多かったのですけど、今年は必ずギャップができたら誰かが埋める状態を作れています。
住吉選手が動いたら本多選手はスライドしてカバーの位置を取っていますし、本多選手がカバーできない時はボランチが下がって埋めています。現状、攻撃だけでなくこうした守備戦術もちゃんと落とし込まれているなという印象を受けました。
ということで神戸が一人減って数的不利、エスパルスが数的有利という形になりました。
しかしエスパルスは1人多いにも関わらず、それを生かして試合を進めていたという感じでもありませんでした。決して悪い流れというわけでもないんですけどね。
神戸は山川選手が退場した後、トップ下の乾選手に代えてセンターバックのンドカ選手が入ります。これで神戸は4231(非保持時は442)から、乾選手が抜けたので非保持の時は441の並びになったわけです。
1列目の守備が小松、乾選手の2人から小松選手1人になったので、エスパルスの優位はセンターバックの本多選手と住吉選手のところということになります。

この後ろの優位を生かしてボールを運びたいところでしたが、正直いってエスパルスの後ろでの保持はあまり上手くいってるようには見えませんでした。
センターバックがボールを動かせないので、アンカーのブエノ選手が降りてボールを動かす現象が見られます。後ろで動かせないのでブエノ選手が降りるのは昨年と同じ現象ですね。
ブエノ選手が降りても、センターバックが上手く立ち位置を取れればいいんですけど(例えばサイドバックの位置に広がるとか)そうでもない。結局CBが2枚が消えたことになりこの時点で有利は無くなってしまいます。
さらに気になるのが、アンカーのブエノ選手が降りると相手のFWの後ろに選手がいなくなることです。

去年ならブエノ選手が降りても、ボランチの宇野選手がいたり、乾選手が降りてきたり、松崎選手も降りてきたりと誰かが1列目と2列目の間にいる状態ではありました。まあ、みんな降りてきちゃうのはいいことじゃないんですけど。
とにかく誰かが相手FWラインの後ろにいてブエノ選手に選択肢を作れる状態ではあったと。でも今年はブエノ選手のワンアンカーで、千葉選手も小塚選手も前目にポジションしていています。ここで状況に応じて上手くポジションを取れればいいのですが、そうでもないのでどうしてもパスレンジが遠くなります。これでブエノ選手がミドルやロングレンジのパスを入れてもイチかバチかになって、ブエノ選手の特徴は生かせないなという状態でした。
また1列目の後ろに人がいないと、相手は背後を気にせずプレスに出てこられます。なので神戸が423気味に前に出てプレシャーをかけると結局ロングボールを蹴ってしまうという流れになります。
ロングボールは悪くはないけど、相手の中盤と後ろは退場前も後も44ブロックのまま変わらないのでこのままだと特に有利というわけではありません。
ということで相手が1人減って数的優位になった割には、エスパルスペースというわけでもないなという展開のまま前半はスコアレスで終了します。
後半です。
後半はお互い選手交代は無し。神戸はそれなりに対応できていたのでそのままで問題ないという判断でしょう。
エスパルスも優勢になったわけではないけど、特別問題があるわけでもない。早々に交代カードを切るほどでもないなという判断かなと思います。
後半入ってしばらくは前半の山川選手退場後とほぼ同じ展開で試合が進みます。
しかし48分、エスパルスのコーナーキックで相手選手にハンドがあったとの判定でエスパルスがPK獲得。これをオ・セフン選手が決めてエスパルスが先制します。
71分にエスパルスは日髙選手に代えてパクスンウク選手。神戸は小松選手、井手口選手に代えてパトリッキ選手と濱崎選手が入ります。
神戸は一人退場して前を削っているのでシンプルに前に出して前線の能力を生かすという攻撃になっていました。またロングボールではサイドの選手もターゲットにしてくるので、運動量の多く疲労も見えた日髙選手のところを手当てした。そんな交代なのではないかと思います。
神戸はパトリッキ選手を左に入れて、CFに武藤選手、右に佐々木選手という配置に。先ほど書いたように攻撃がシンプルになるので、スピードのあるパトリッキ選手で一気にゴールに持っていきたい。そんな狙いなのかなと思います。神戸の特徴はわからないのですけど。
そして77分には小塚選手、千葉選手に代えて髙橋選手と宇野選手。ここも千葉選手の運動量が少し落ちてプレスにいけない場面が見えてきたので納得の交代といえるでしょう。ちょっと縦パスを通されたりしたのは気になるところでありました。
ここまで見てきて吉田監督の交代策は固いなという感想です。前の試合もそうですが後半入っての守備の穴はすかさず塞いでくる。そんな印象を抱きます。小塚選手に代えて宇野選手のところもやっぱりそんな感じだと思います。
お互いに長いボールが多いし、疲労が出てくるとオープンになってくる。1人少ない神戸にも全然ワンチャンあるなという展開でした。
神戸の方はリードされているので、ボールを運べたり前に行けそうな選手を入れていくと。ボランチに入った濱崎選手はいかにもセンスのある選手で、彼が入って中盤から前にボールを運べる場面も増えていたように思います。
試合としては互角で、いったりきたりする展開ですが、意図としては失点の可能性を減らしながらもあわよくばワンチャンを狙うエスパルス、ボールを前に運んで行って追いつきたい神戸という感じになってたのではないかと思います。
そしてさらに交代があったりしながらも試合はそのまま進み、エスパルスが1点を守って1-0の勝利。エスパルスは最後はキープ交えて時間を使ったりと、もう少し慎重でも良かったかなと思いました。しかしまあ逃げ切ったのでプランは成功といって良いのではないでしょうか。
着実にチーム作りが進んでいるところ、意外とまだまだだなというところ。それぞれが見えたとても興味深い試合でした。
そして何より吉田エスパルスの初勝利。とても嬉しいですね。それでは今回はこんなところで。