PSM甲府戦

 プレシーズンマッチなので気楽にテレビ観戦でした。1度見ただけで良し悪しがわかる観戦眼はないので評価は特にありません。ただ印象に残ったプレーが1つ。そのプレーというのは村田のクロスから駿のゴールです。そりゃ誰でもそうだろ!ってなりますが、別にゴールが嬉しかったわけではありません。公式戦じゃないし。ゴールそのものでなくゴールを産みだした形が素敵だったので印象に残りました。それについて書きます。
最近、僕の中で流行りの守備の見方があります。守備ブロックを図形で見るというやつです。例えば44ブロックなら4×1の長方形。甲府でいうと541なので守備の図形は台形になります。この形がキープされているときは守備が安定していることになります。
得点の場面ですが、まずヤコから右外の村田に展開します。元紀が中央からやや右に寄ってきて村田からのパスを受けます。ポイントはここです。元紀は台形の右側の四角(甲府から見ると左)の中央でボールを受けます。左CB、WB、サイドハーフボランチの4人で作られる四角です。この四角が元紀を潰そうとギュッと面積を縮めます。この時、四角が縮まるので四角の外側にスペースができます。そこを村田がかけ上がります。駿はファー側のSBとCBのギャップを狙って合わせています(甲府の右WBの絞りが甘い!)。右の四角を縮めたことによりマイナスのクロスを上げれるまで楽にえぐれています。後は見事な駿のヘディングシュートです。
元紀がブロックの間でボールを受けたことによる効果がもう1つあります。甲府守備ブロックの右(清水目線)の四角の面積が縮んだので逆に中と左の四角の面積が拡がります。網目の一部を引っ張っると他の部分が伸びるのと同じです。そこに本田が入ってフリーになっていました。村田は突破した時2つのパスコースを選択できたことになります。
元紀が間で受け、村田がサイドをえぐっただけではただのコンビネーションです。局面の打開だけでなくゴールまでの一連の流れに繋がっていくことが大切です。ゴールという結果から逆算し、ある動きが相手の守備組織を全体的にぐらつかせ弱い部分突くような動き。この形が再現性のある狙った形であれば少しは安心します。その可能性が見られたということでこの場面に注目しました。

ついでにもう1つ。別のお話です。シュートをした場面の映像に元紀が映っていません。村田に出した後テレビでは村田がアップになります。その後ゴール周辺に元紀の姿がないのです。パスを出した後はゴールに向かうと考えるのが普通です。どこにいたのでしょうか。ピッチ全体を映した映像が流れなかったのでわかりませんが想像します。先程書いたように本田はペナルティー内の空いたスペースに上がっています。多分元紀は本田が空けたスペースを埋めているのではないでしょうか。そうだとするとここは評価が分かれます。守備で後ろが見えているととるか。ゴールへ向かうべきととるか。基本的には僕は彼の守備意識は評価します。エスパルスの前から中盤の選手は守備力があっても積極的に守備をする選手は少ないからです。

 しかしこの場面は前に出ても良かったかなと思います。この時エスパルスのSBは後ろに残っていたからです。この時の甲府の配置からするとカウンターを食らっても甲府の攻めは4人。元紀がいなくてもエスパルスはハチ含め5人いるので人数はいたはずです。元紀の自チームの陣形を意識している部分は大好きですが、少しオートマチックに動き過ぎかなと感じました。

今回はこの得点の場面だけに注目してみました。