映画:紙の月

 銀行の契約社員として働く梨花宮沢りえ)。夫との2人暮しは裕福そうだが何か心に不満を抱いていそう。
 ある日、顧客の老人宅で孫の大学生、光太と出会い、2人はすぐに惹かれ合う。
 梨花は光太が借金に苦しんでいるのを知り、それを肩代わりするため銀行の金に手を出す。
 光太にのめり込んでいく梨花。さらに物を買い与え、お金を使いまくる。横領は止まらなくなり罪悪感も消えていく。
 やがて光太との恋も終わる。光太が同級生と浮気をしたのがきっかけ。光太は梨花との日々が本当の愛とは違うことに気づき苦しくなったのではないだろうか。梨花も彼を深くは追わない。
 そして梨花の横領が銀行に知られてしまう。問い詰められた梨花は日本から逃亡しタイへ。そしてそこに求めていたものがないと知り雑踏に紛れ消えて行く。

あらすじはこんな感じ。

 感想はとにかく怖かった。もちろんホラーやサスペンスではないのだが、それ以上に怖かった。DVDを一時停止してしまったくらいである。
 始めは愛する男の借金を返済するため止む無く横領をしたはず。それが次第にお金を使うことが目的になってくる。
 梨花にとってはお金を使い相手に与え喜ばれることが自分の存在価値だったのだろう。存在価値を満たすという幸せ。それに会社の金を横領するという罪悪感が消されてしまったのだ。

普通と異常。常識と非常識。それらを区切る境目。

 普通の人は常に普通の感情だけを抱き、普通に生き続けるのか。それが出来なかった梨花は特別な人間なのか。

 僕はそこに境目を見つけることが出来ない。わからぬまま進んでしまう戻れない普通でない場所。
 梨花も僕も何も変わらない「普通」の人間なのだと思う。
しかし行き過ぎてしまった者はもう戻れない。日常の社会はそれを許してはいけないのだ。
 僕は「普通」である彼女がそれ以上行ったら戻れないよということが見えなくなり進んで行ってしまうのが怖かったのだろう。誰にでも梨花になってしまう可能性はあるのだから。

久しぶりにレンタルだが映画を観たので感想を書いてみた。
色々もっともらしい事書いたが一番インパクトがあったこと。

宮沢りえがめちゃくちゃ美しい。そしてエロい」

このエロ綺麗さはちょっと危険だと思う。