清水エスパルスのポゼッションについて考えてみます。
再びFootball LABからのデータです。
まず支配率を見てみましょう。47.8%でJ1の18チーム中10位です。1位が川崎で58.8%、2位が柏で57.7%となっています。ちなみに18位が松本の39.8%、17位が甲府45.7%。J1の平均より下でポゼッションはあまりできていないと言っていいと思います。
しかし支配率はチーム力によって変わってきて上げようと思っても必ずしも上げられる物ではありません。そこでポゼッションをしようとしているのか意図を探ってみます。
下に関係あるんじゃないかなと思った数値を表にしてみました。あくまで数値ですので一概には言えないのは理解しています。
・ショートパス
ロングパスよりボールを繋ぎやすいので、全パス数のうちショートパスの占める割合が多い方がボールを保持しようという意識が強いのではないかと考えました。
エスパルスは55.1%で7位。1位は川崎の66.8%と支配率通りの数値です。しかし支配率で3位の浦和はショートパスの比率では18位、支配率11位の湘南がショートパス比率では2位となっています。ペトロビッチの浦和はボールを保持する傾向があるし、湘南はショートカウンターとどちらもスタイルがはっきりしたチームです。そう考えるとショートパスの比率はあまりポゼッションの意図とは相関がないようです。どちらかというとコンパクトさやワイドを使う意識が数字に表れているのではないかと思います。
・前方方向へのパス
ダイレクトプレー志向のチームは前方向へのパスが多く、ポゼッション志向のチームは少ないと考えました。バックパスの比率にしようかとも迷いましたが預けのパスを左右横方向に出して相手を広げることもあると考え前方向へのパスの比率でくらべてみました。
前方向の比率が低い順からエスパルスは13位(40.8%)。1位が広島、2位が川崎、3位が浦和、4位が柏です。逆に高いクラブが順番に松本、山形、仙台となっています。こちらにはポゼッションの傾向が表れているようです。
・攻撃に費やすパス数(総パス数÷攻撃回数)
これにより1回の攻撃で何本のパスを繋いでいるか見てみます。パスの本数が多いほどポゼッション志向が高いと考えます。(マクロつなぎ論8 フィボナッチ数列)
繋ぐパス本数の多い順番に川崎、柏、広島。少ない順番に松本、鳥栖、山形となっています。エスパルスは3.1本で11位となっています。
繋ぐパス本数の多い順番に川崎、柏、広島。少ない順番に松本、鳥栖、山形となっています。エスパルスは3.1本で11位となっています。
こちらもポゼッション傾向と相関がありそうです。
これらのデータから(あくまで数字を見る限りです)エスパルスは、縦パスがやや多く(前方へのパス比率)、早めの攻撃(攻撃に費やすパス数)をする傾向があると言えると思います。また攻撃回数(3位)、被攻撃回数(16位)というデータもあります。
ということからエスパルスはポゼッション重視のサッカーはしておらず、切り替え局面の多いトランジションサッカーをしていると言えます。
ということからエスパルスはポゼッション重視のサッカーはしておらず、切り替え局面の多いトランジションサッカーをしていると言えます。
ここまでの内容を前回の記事に繋げます。
・ショートパスの比率が平均より上でコンパクトまたは人が寄っていると考えることができる。
・預けのパスの比率が低く、崩しのパス(勝負パス)が多い。
・他のゾーンに比べ、ミドルゾーンでのパス成功率が低いということは、他チームに比べ中盤でリスクのある勝負パスを出している。
と考えられます。
攻守の切り替えが多く、それが中盤のゾーンで人が寄った状態で起きていることが失点の多さに繋がっている可能性が高いと言えるのではないでしょうか。
大事なの張るの忘れてた。→崩し論0 直線と曲線
つまりエスパルスの攻めは直線的なんじゃないかということ。これを言いたかったんだった。細かいとこ見てるうちにオチを忘れてた。
