柏戦より所感~意図を探れば評価が変わると思っていること。

 レビューを月2回以上やると生活に影響が出そうなので今回も感想文。
 

 普通に見れば、エスパルス全然ダメだねという試合だったと思います。でもチームの意図を考えながら試合を見ていると少し評価が違ってきます。柏戦は前の試合に比べて悪くなかったと感じています。
 僕の思い込みも入っているとは思いますが、選手起用、内容からこの試合の意図を推測します。柏戦で監督はこの試合のことだけを考えるのではなくエスパルスがこれからやっていくことを重視していたのだと思いました。そして選手もそれにチャレンジしていました。柏戦でチャレンジしていた形で僕に見ることができたのはボールを動かしながら相手の守備を崩していくということです。
 これまでも同じ狙いはもって試合に挑んでいたはずです。しかし松本戦や仙台戦では、パスを奪われることを恐れたり早くゴール前に行きたい焦りから狙いがピッチに表れることはありませんでした。しかし柏戦では選手はそれにチャレンジしようとしていました。上手くいかなかった理由はどの場所でどう受けるという判断やパスを出す、受けるの技術が不足していたためです。それでも形を出そうという意図は感じることができました。
 この試合だけを考えれば、もっと安定した試合ができるメンバーはいたはずです。例えば北川でなくウタカ、石毛でなくボランチに白崎、サイドハーフに河井のような選択です。しかし来期以降このクラブを背負っていく選手にのために、またボールを動かして崩していくという意図を明確にするためこのような選手起用をしたのだと僕は思いました。
 田坂監督は就任してからまだ1勝も上げることが出来ていません。それはプロの監督として責任が問われて当然だと思います。しかし彼がこのクラブのために取り組んでくれたことは評価してあげるべきだと思います。この試合を取り上げても監督のクラブを良くしたいという一貫した姿勢が表れています。いくら降格が決まっていたとはいえ就任以来勝ちがないという結果は監督のキャリアを考えれば避けたいと思うのが普通です。それでも田坂さんは未来を選択しました。おそらく苦しい判断だったと思います。また彼のコメントは誤解され批判を受けることを恐れず事実を正直に伝えてくれます。それらはエスパルスを良いチームにしたいという彼の信念でそこには感謝の気持ちでいっぱいです。田坂さんはこの試合に限らず就任してから常に自分のことよりこのクラブのためを考えチーム作りをしてくれていたと思います。ただ残留というミッションとチーム作りのバランスの中で出来ると判断したことが出来なかった、それが今の結果だと思っています。
 

  以上がこの試合に対する僕の感想です。2年ほど前の僕なら同じ試合を見ても、このように考えなかったはずです。気持ちを見せろ!なんて言っていたかもしれません。でも意図を探れるようになればチーム、監督、選手への評価は変わってきます。まだまだ本当の意図に近づいていないと思いますが、これからも試合を見ながらチームに声援を送っていけるようになりたいと思っています。