ブンデスリーガ9節 ドルトムント-マインツ 観戦メモ

 いろいろなサッカーを見れば、また違うものが見えてくるかもしれません。かといってすぐ見て何かがわかるわけでもありませんが、とりあえず自分で見えた範囲で観戦メモを書いてみます。


得点
18分 ロイス(ドルトムント
 
 
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 ドルトムントは433、もしくは香川が前に出た4231にも見えます。守備では香川を前に出して442。マインツは表記通りの4231です。
 開始しばらくはマインツが優勢に試合を進めます。守備ではマインツは武藤、マリが2CBへ、SHがSBへ、DFの前で受ける中盤の選手にはボランチのバウムガルトリンガー、ラツァを当て前から早めのプレス、攻撃ではサイドを起点に攻めていきます。
 マインツは後ろからサイドに入れ他のポジションが絡むことでドルトムントのDFを崩そうとしていたように見えました。ドルトムントは守備ではバイグル、ギュンドアンが中盤の中央に並びますが、マインツが後ろで回すとギュンドアンが前に出てプレスにきます。そこからのサイド攻撃によりバイグルがサイドに寄るとトップ下のマリが中央でスペースを得ることができていました。*1。
 何試合かドルトムントの試合を見ましたが、DFラインのギャップに走りこまれ、あっさりとチャンスを作られる場面が見られます。これはSBを高く上げる戦術のせいか、他の問題かはまだよくわかりません。ドルトムントは序盤、サイドからの攻撃であわやのシーンを何度か作られていました。
 しかしその後、徐々にドルトムントがペースを握り返してきます。ボールの出所のブンガードを制限し始めたこと、香川がボランチの位置まで下がって組み立てに参加し始めたこと、あまり高い位置までギュンドアンが出てこなくなったこと、このあたりが変化ではないかと思いましたがどこがポイントか、はっきりとはわかりません。ただ香川が下がってつなぎに入り、その後、前に上がっていくことでチームの攻撃の潤滑油になり、ボールがスムーズに回るようになったような気はします。
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 このように、サイドがやや絞って相手のSBを引き付け、さらにSBを上げます。バイクルが起点となり、相手が中に絞れば外、外に引っ張られれば中という攻撃を繰り出します。そしてそこに香川やギュンドアンが攻撃をつなぐようブロックの中、外で絡んでいきます。
 ボールをつなげるようになったドルトムントは序盤あまり上げれなかった左SBのパクが高い位置を取るようになります。一度パクに入れ、中を経由することで右のギンターのスペースをドフリーにしてそこからゴールへ迫ります。今度はこのような攻撃でドルトムントが何度かチャンスを作ります。
 しかし前半17分にそれとは違った形でロイスの先制点が決まります。ムヒタリアンマインツDFラインでのパスをカット。ドリブルで運び中央に入れます。DFラインの裏を狙い上がってきた香川がスルーして、中央のオバメヤン、オバメヤンから左のロイスにパスが出て、ロイスがシュートを決めます。マインツパスミスとも言えますがドルトムントは高い位置から、サイドに追いやるようなプレスを果敢にかけておりドルトムントの狙った形とも言えるでしょう。ちなみ後半の2点目もDFラインでのパスをオバメヤンがカットしたところからムヒタリアンが決めています。
 前半はそのままの流れで終了します。
 
 前半はドルトムントが流れを引き寄せて終わったということは、当然、後半マインツがどう変化を見せるかに注目します。両チーム選手交代はなしで後半スタートです。
 後半に入るとマインツは3トップのようにSHを最前線に絡めてきます。SBもより高い位置を取り、トップ下マリは低い位置やサイドに流れてボールを受けていたように見えました。マリが動いて空いたスペースにSHやインナーラップを仕掛けたSBが入ってきます。そこにさらにマリが再び前に上がり絡んできます。実況の人が言っていた「マリがボールを持てるようになりチャンスを作り始めた」というのはマリ個人の調子が上がってきたのではなく、多分こういう動きのためだと思います。
 マインツは70分に右SHのハイロに代えクレメンツを投入。クレメンツをトップ下、マリを右SHに置きます。これも上のバイタルを使う動きをより効果的にする意味があったのではないかと考えられます。実況では3センターにしたのではと言っていましたが、それくらいクレメンツは曖昧なポジションをとります。ドルトムントは相手のトップ下をアンカーのバイグルが見ています。マインツのトップ下が動くことでバイグルを動かしそのスペースを使います。トップ下はある意味囮になるのでマリはトップ下でなくSHに置き、バイタルに侵入させ直接決定的な仕事をさせます。これが交代策の意味ではないかと思います。
 一方ドルトムントは前半に比べSBを高い位置まで上げていませんでした。守備ではブンガードにはプレスをかけますがベルにはあまり強く行かず、ボランチまでボールが行ったらプレスをかけるような形。
 ということでマインツが後ろではベルを使いボール保持からサイド、バイタルを使い攻撃を仕掛け、ドルトムントはやや押し込まれながらもSBを上げないことで最終ラインは固め、マインツのCBベル、両サイドバックが上がった裏をカウンターで襲うという展開になります。
 両者狙った攻撃の形は見えていましたが、1点リードしているドルトムントの方が余裕を持って試合を進め、ロイスに代え、ベンダー、82分に2点目が入ると香川に代え、カストロと守備の補修をして、最終的にドルトムントが逃げ切りました。
(ちなみに後半途中からバイグルの位置がアンカーから前の中盤になったのが気になりましたが理由はよくわかりません。なんとなく気になった。)

*1 マインツのサイドからの攻撃。
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CBからハイロへ。パクか対応。ハイロからサイドに寄ってきた武藤。バイグルが武藤に寄り、ギュンドアンは高い位置までプレスへ行っていたので中央でマリがフリー。マリからDFラインを抜けようと内側に入ってきたハイロへ。これはフンメルスカット。
もう1つ。
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サイドバックへ。ボランチのラツァが左サイドの高い位置まで上がりギンターを引きつける。デ・ヴラシスがギンターとソクラティスの間のギャップに入り、武藤へ。武藤オフサイド

 と、ここまで自分で書いてみてから有名ブロガー様の書いたレビューを見てみました。なるほどなと思うとこ多数。合っているとこもあり、間違っていたなと思うとこもあり。
枝葉では僕も見えてる部分もありますが、やはり狙いの骨格のようなところはまだ僕には見えていませんね。そこが一番大事なんですよね。
 それを頭に入れて試合を見直すと楽しさが断然増してきます。狙いを理解すると何でも無いと思っていたプレーが意味のあるプレーだとわかり、凄えなあとか、ナイスプレーなんて興奮出来たりします。
 理解することは自分のサッカーを見る楽しみを増やすこと。自分自身がもっと楽しめるようになるためにこれからも試合を見ていきたいと思います。ブログも書いたり、書かなかったりボチボチでいきますので今後もよろしくお願います 。