J2リーグ第10節 ツェーゲン金沢 vs 清水エスパルスより~ツェーゲン金沢の守備の狙いについて

清水エスパルスツェーゲン金沢を圧倒した試合でした。僕のツェーゲン金沢のイメージは見事に組織された4-4-2ゾーンディフェンス。去年、我がエスパルスの酷い守備に心打ちのめされていた僕にとっては憧れさえ抱いたチームです。それがこのような結果になるとは。勝ったのはうれしいのですが金沢の守備がイマイチ理解できなかったので少し掘り下げてみようと思います。
 
金沢の守備を見て気付いたことを羅列します。

・532の守備。2列目の横幅は3人の横スライドでカバー。
~2列目が3人の場合、中盤のサイドに運ばれた時、3人が横スライドして横幅をカバーする守り方と最終ライン(5バック)から1人前に出て最終ラインがスライドして4バック化する守り方がありますが金沢は前者でした。

・相手ボールに変換時にプレスに行かず、まず1列目がハーフウェイラインあたりになるような位置までリトリート。
~プレスに行って交わされ後ろに進入されるよりボールを保持されても下がってブロックを固めていたようです。

・2トップはボール保持者に強くプレスに行かない。後ろへのコースも強くは意識して消しておらず、悪く言えば自分のいる中央のスペースにただいるだけ
~この2トップの守備の役割は未だはっきりはわかりません。強いて考えれば前の中央スペースを消すことで起点をサイドに誘導することだったのではないかと思います。1列目の脇は自由に使われていますが1列目と2列目の間に入られている場面はあまり見られません。それでも縦パスで真ん中を通されていることも多々あり。中央くらいはコースをシビアに切る守備をしても良かったのではないかとは思いますが。

・トップの右14番は右サイドの守備に顔を出すが左の30番は中央から動かない。自分のラインを超えられたらほぼ守備に関わらない。

・右サイドは進入されると複数で囲いにいくが左は1対1の対応。
 
~右サイドの守備は厚めで左側に誘導していたようです。これは森下監督のコメントにも出ています。30番の山崎はカウンターに備えろということでしょうか。
 
・村田、テセにはマンツー気味に人がついていた。元紀に対してはマークを受け渡し。
 
 
この辺りが僕が気づいたことです。ここから金沢の守備の狙いを想像します。
 
金沢の森下監督はこれまでの清水の攻撃の傾向を考えてこのような形をとったのだと思います。そのこれまでの清水の攻撃の傾向とは、

・5バックで低いブロックを作られると点が奪えていない。

・左サイドはパスを繋いで、右サイドは突破からのクロス。
・クロス成功率が低い。

・カウンターなど相手ブロックが崩れている時は得点を奪っている。

この辺りの傾向を元に金沢の守備を説明してみます。(かなりこじつけではありますが)。

清水の攻撃はサイド攻撃が非常に多いのですが基本的には相手の間に入れて相手を動かしていく攻撃が軸になっています。これがあるからサイドが使えているのです。特に左サイドではこれが顕著です。金沢としてはクロスや縦パス1本のような距離のあるところからくる攻撃にはある程度目をつぶっても、1枚ずつ剥がされて進入されるような攻撃を防ぎたかったのではないでしょうか。これが2トップをあまり動かさないのと清水の左サイドを塞いだ理由ではないかと思います。

次に3バックは中央の壁として動かしたくない。これが2列目を3人だけで守らせていたこととクロスに対してゾーン気味に守っていた理由ではないかと。5バックから1人前に出してしまうとスライド時のズレを突かれてしまう恐れがあります。そしてポストとして中の起点となるテセにはマークを付けますが元紀にまで付けてしまうとブロックが崩れてしまうので特に抑えておきたい場所以外はゾーン気味に守ったのではないかと思います。

最後に右サイドの攻撃について。金沢は決して村田、川口の右サイドを甘く見ていたわけではないはずです。しかしどこかを抑えればどこかが開くのがサッカー。左WBの4番に1対1で何とか頑張ってもらい中さえ固めていれば清水は中々合わせられないという腹積もりだったのではないでしょうか。

計算違いは意外と右が単騎でなく連携を使って攻めてきたこと。清水は村田、川口のコンビに加え時折ボランチも関わりクロッサーが深い位置から精度の高いクロスを上げられる状態を作り出していました。清水側のクロスに対しての入り方が特に良かったようにも見えないのですが中途半端なゾーンの意識が原因かマーカーを外され失点を重ねます。

最近読んだ本にある偉大な監督の言葉が書かれていました。

得点するチャンスを出来るだけ多く作り出すのは監督の仕事。しかし、得点する、得点されるは個人の資質にかかっている。

まさに清水にとっては監督の仕事、選手の資質、両方が発揮されての勝利でした。

今回はこれで終わりです。たいしたネタでもないのでツイッターで呟こうかと思いましたが長いので思う存分こちらにまとめました。かなりこじつけ、思い込みなのは自分でもわかっています。単純に個の能力で叩いただけだよ、または金沢のシステムに問題があったんだよと言ってしまえば簡単だしそちらの方が間違いではないです。でも僕はしつこく考えるのが好きなのでこんな感じでやってみました。
ではこんなとこで。また。

追記
落ち着いて読み返すと我ながらいい加減過ぎでござる。どうもすみません( ̄▽ ̄)