2014年J1リーグ第7節 清水エスパルス vs 大宮アルディージャ もろもろ

2014年の7節大宮アルディージャとの試合。注目はワイドを使ってどんな攻撃をしていたか。

まずスタメンと配置。
 
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攻撃では大宮は長谷川とズラタンが縦関係になったりにも見えますが、システム表記はあくまで目安で。
 
実際見てみると確かにサイド中心にボールを動かしているのですが、サイドハーフの河井と元紀が常にワイドに張るという感じではなく、サイドバックを上げて両サイドハーフが中に入るみたいな形が多かったです。一見、今と同じように見えます。ただしボールの運び方は今とは違っていました。
 
今のチームだと中央に位置するボランチが中心になってそこからサイドや4-4の間のいる味方に楔のパスを入れるのですが、この試合では中央から楔というのがほとんど無いんですね。どうやって運ぶかというと、具体的には23分の攻撃なんかが典型的な形で凄く綺麗なサイドからの攻撃を見せています。
 
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ハーフウェイライン辺り、元紀がボールを左サイドで受け、外を上がった吉田に。吉田、六平(六平にCH増田がプレス)、元紀(元紀にSB今井が付いて裏が空く)とワンタッチで繋ぎ、元紀から裏のスペースに抜ける吉田へ。大宮はサイドバックが元紀に付いてくるのでサイドの裏ががら空きに。六平をマークするボランチの増田も左に寄せられた上、ツインタワーがDFを押し下げるのでバイタルもガラ空き。吉田がドリブルからクロスし逆サイドからバイタルに侵入した河井へ(は微妙にずれてシュート空振りだったけど)。サイドで組み立てて相手がずれて空いた中央スペースに逆サイドが入ってくる形。
 
一方、右サイド。こちらも基本的にはSB、CH、SHでサイドを崩すのですが、ヤコがあまりあがらないので左とはちょっと違い、よく見られたのが河井が中に降りて、空いたスペースに竹内が入っていく形。
 
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サイドバックを上げない代わりにボランチを出して横幅を使います。前半のピッチレポートでは大熊監督が「20番(竹内)空け過ぎ」、「北斗、ポジション確認!」と叫んでいたと伝えられたように、大宮はこのボランチサイドハーフのポジションチェンジの動きを捕まえ切れていないようでした(とにかく捕まえろっみたいな指示が大熊さんらしいw)。 ここからやはりノヴァ、駿、あるいはバイタルに入る元紀に合わせる形。

両サイドともサイドで繋ぐ動きを仕込んで、高さのある2トップはもちろん、バイタルに逆サイドが入ってきてシュートというのが多いパターンでした。サイドでの崩しから2トップへとそこを囮にしてシュートを撃てるエリアにスペースを作るのが狙い。

当時、この形というのはノヴァ、駿に目掛けてサイドからのクロスが多かったので、単純にサイドからのクロスで高さ勝負みたいな単調なサッカーだみたいな見方もされていました。もっと中からも崩さないとダメだみたいな(現役時代ファンタジスタと呼ばれたOBさんとかよく言ってましたね)。でも上に挙げた23分の左からの攻撃見るとサイドでボールを動かすことによって中央の相手をサイドに寄せている、結果的に完全に中をズタズタに崩しているんですよね。中が崩れているから河井がドフリーでシュート狙えているわけです(当たらなかったけど)。これ中央でボール動かしたらセンターハーフの増田、横山は中央から動かないはずです。ボールを動かしているのはサイドだけど破壊してるのは中央なんですね。サイドを突破したときはすでに中央が崩れているから後は余計なことせずに単純に早く中の空いているスペースに入った味方に合わせればいい。これがこの時やっていた攻撃の形なんじゃないかなと思うんです。まあこの試合は大宮の守備もかなりアレだったので嵌ったってのもあると思うのですが。

このサイドを使うというのはこの時の清水に限らず、普通に日本のチームでも「一度サイドに振って中を空けて使おう」なんてよく言われますが、ちょっと微妙に理解が違うような気がするんです。そういう場合って外に振ると中が空くから今度はそこを崩してシュートしようみたいな感じだと思うんですけど、この試合見てると外でボールを動かしていると同時に中の崩しが仕組まれている感じなんですね。オンザボール中心に局面打開を繋げた結果ゴールに結びつく直線的なサッカーと最終地点(シュートを撃つ)を有利にするよう逆算して回り道を入れるようなサッカー。ちょっと意味不明か。

そもそも、この試合見たのは日本代表の試合見て思うところがあったから。選手の戦術理解度ガーなんて言われてますが、選手は監督の理屈は頭ではわかっているのでしょう。理屈だけなら素人の僕にもわかるんだから。でもたぶんサッカー感(あいまいな言葉ですいまそ)が違うんでしょう。オーバーに言えばイデオロギーが違うというか。僕にはどっちがとかは言えませんけど。ということで代表という時間の限られた中でハリルで続けてそこそこの結果出せというならある程度監督が選手寄りに合わせることになるんでしょうなあ。あっ、それじゃザックと一緒か。

試合は余計な考え無しに面白かったです。当時見た時とは気付くことも違いますし。他にも色々書きたいような気もしますが、わっけわからんくなりそうなので、これで終わります。では。(恐ろしいくらいまとまってねぇ)