明治安田J1百年構想リーグ第4節ガンバ大阪対清水エスパルスの雑感です。
今回もスペースで話した内容をまとめました。スペースは下のリンク。
https://x.com/hipokotms/status/2028815017676828977?s=20

清水はセンターフォワードの主力だったオセフン選手が欠場で髙橋選手が起用されています。
ここまでエスパルスの攻撃は、ほぼオセフン選手に長いボールを入れるところから始まっていたので、髙橋選手に代わってどうなるのかは一つの注目ポイントになるかと思います。後のメンバーは前節と同じです。
ガンバ大阪は今シーズンよりドイツ出身のイェンス・ヴィッシング監督が就任。当然Jリーグで指揮するのは初めての監督で、どんなサッカーをするのか非常に楽しみです。
システムは4231。トップにヒュメット選手、トップ下に名和田選手。サイドの食野選手、唐山選手はワイドに張るより中に入って攻撃に関与するのが特徴のようです。
それでは試合を観ていきましょう。
まずエスパルスで注目するのは髙橋選手の役割。オセフン選手は相手を背負いながら最前線で起点を作るプレーが多かったのですが、髙橋選手はどちらかというと動きながらボールを引き出すプレーが目立ちました。
髙橋選手が動いてポイントを作るので、前進の経路も中盤でブエノ選手に落としてパスを展開したり、サイドで受けてサイドバックから裏を狙うウィングに出したりと、オセフン選手がいる時と少し違う形になっていましたね。また髙橋選手を経由せずに裏を狙うウィングにフィードを出したりと、高橋選手のワントップの方が選手の動きも攻撃の形もちょっと流動的な感じになっているように感じました。
次にエスパルスの非保持を見ていきます。ここのエスパルスのプレスとガンバの後方保持の噛み合わせがこの試合のポイントになっていたように思います。
ガンバは縦に速い攻撃と言われていますが、エスパルスのようにロングボールを最前線に入れるスタイルではありませんでした。まず後ろでボールを動かして、パスコースができたら素早く縦パスを入れて前進していく。そんな志向の攻撃だと思います。ゴールキックからのスタートを見ても、ほぼロングボールを使っていません。そこからもボールを繋ぎながらという傾向がうかがわれると思います。
ガンバはセンターバックとサイドバックの4枚で後方の保持をスタートしていました。ボランチが降りたりサイドバックの片方を上げて後ろ3枚にするような可変はあまり見られません。たまにはボランチが降りたりするんですけど、基本的には4枚でビルドアップするという形でした。
ガンバの後ろ4枚ビルドアップに対して、エスパルスは左右のウィングを上げて前4枚で噛み合わせるようにプレスをしています(実際は単純にマンツーマン的に4枚出ていくわけではないのですが)。前半かなりの時間、エスパルスがこの前4枚のプレスでガンバのビルドアップを塞げていて、結果として高い位置でガンバを押し込めていたと思います。
ただし、エスパルスのプレスをガンバが回避すると、エスパルスはウィングを両方上げているので真ん中がボランチ2枚になっています。さらにガンバはサイドハーフを絞らせているので、中央レーンの付近に選手が密集していてエスパルスのボランチ周りをパンパンとパスを繋いで前進していきます。

前半全体としてはそれなりにエスパルスはガンバのビルドアップを塞げていたんですけど、プレスを回避された時はそんな感じで前進されていて、内2回が失点に繋がるという結果になってしまいました。
1失点目は27分。後ろの保持にキーパーが1回入ったことで左CBの中谷選手がフリーになったのがスタートです。エスパルスの2トップはプレスがずれた時にすかさず前に出ていくより、背後のボランチを気にする傾向があります(おそらく2トップは必ず背中でボランチを消すタスクになっている)。そこで中谷選手がフリー。縦パスを繋がれゴール前まで持っていかれました。
2失点目は42分。髙橋選手が勢いよくプレスに行ったところを逆取られて交わされ中谷選手の前がオープンになったのがスタートです。中谷選手がパスを出す時、エスパルスのダブルボランチの周りをガンバの中盤5人で囲む形になっていて、それを利用しパスをテンポよく繋いで前進。そして最後はヒュメット選手がシュートを決めました。

人を内側に集めて、センターとインサイドのレーンへの配置からコンビネーションを使っていくのがガンバの前進の特徴といえそうです。
そして2点とも中谷選手が起点で、中谷選手は運べるし相手を見て動かしながらパスを出せる。ここをフリーにしてしまうといい感じに前進されやすい傾向はあるかなと思います。
あともう一つ、これは開幕戦から気になっていたことで、エスパルスの守備は何気に間への縦パスを通されやすいように感じます。この試合に限らず、ウィングの位置がやや前目で守備時に絞り切れていないことが多いような気がします。思い返すと名古屋戦の失点も間を通されたところからで、守備ブロックをセットしている時でも縦パスを通されるのは修正が必要かもしれません。
さて前半は2対0とガンバのリードで折り返します。しかし2点リードされるほどエスパルスが悪かったわけでもないなというのが僕の感想です。かといって失点は偶然にワンチャンを決められたというわけでもありません。お互いの構図から、エスパルスのプレスを交わされた時はゴール前までボールを運ばれやすい状態だったと思います。
そして最後の点を決める、防ぐという部分はヒュメット選手がスーパーだったということになるのかもしれません。
それにしてもヒュメット選手、本当に上手いですね。7分辺りでサイドで囲まれても正対して相手を止めてつつ、ボールを相手の届かない方に持っていってすり抜けたプレーがあったんですけど、そこで思わず「上手いな!」と声が出ちゃいました。ここは余談ですが。
ということで後半です。
ガンバは名和田選手、唐山選手に代わって南野選手と倉田選手が入ります。エスパルスは交代なし。リードしているガンバが変化をつけて、リードされているエスパルスがそのまま。前半の内容と結果のミスマッチが表れたような後半の入りでした。
まず後半、エスパルスの保持で印象に残ったことがあるのでちょっとそこに触れます。
52分過ぎ。ブエノ選手が後ろに降りて、本多選手と住吉選手が左右に広がり、ブエノ選手がいたアンカーポジションに小塚選手が降りてくるという場面がありました。

ここはポジショニングがよく整理されていて、相手の2トップに対して本多選手と住吉選手がちょうど脇を取る位置取りになっています。そして小塚選手がアンカーポジションにいるので、2トップは背後が気になり積極的に前に出てこれない。
これで本多選手が脇を運んで、1回引っかかってしまったけど、その後再び同じ配置で保持スタート。今度はブエノ選手のインサイドキックで小塚選手に縦パスを入れ前までボールを運んでいったという流れです。
前節の神戸戦で、こちらの数的優位にも関わらず後ろで上手く動かせなかったという話をしましたが、この試合ではそこをしっかり整理してきたなという印象を受けました。
一方、ガンバも交代で入った南野選手、倉田選手が1本ずつシュート打つなどゴール前でチャンスを作っていたので、両チームとも悪くない後半の入りだったと思います。
そして59分に清水が髙橋選手と千葉選手に代えて松崎選手と宇野選手。始め少しポジションがごちゃごちゃしてましたが、北川選手がセンターフォワード、松崎選手は左ウイング、宇野選手が千葉選手がいた位置に入ったようです。
ガンバも同時に交代で食野選手がアウトして、奥抜選手がイン。奥抜選手はそのまま左サイドハーフに入りました。
エスパルスは交代した後、宇野選手が1列目で北川選手と2トップ、もしくは4411みたいな守備組織になったと思います。エスパルスはこの選手交代からあまりプレスをかけずブロックを組んで守っているように見えました。サイドの高い位置にもウイングが出ていかず中盤でラインを形成する。サイドバックは縦スライドするけど松崎選手は内側を埋めるような動きも見られます。
これで前半に問題になっていたボランチ脇は埋まるのですが、ファーストディフェンスがあいまいでガンバに2トップ周りを好きに使われてしまっています。中谷選手だけでなく左CB三浦選手にも運ばれたりして、縦パスを間に通されてゴール前まで持っていかれる流れになっていました。
これが例えばエスパルスがリードしていて守備固めようとした(けど結果的に上手くいかなかった)というならこの状況もわかるんですけど、負けてる状況でこの流れはちょっと解釈が難しいかったです。何らかの意図があると思いますが、僕には読み取れなかったです。
ガンバはガンバでボール運べるんですけど、守備に切り替わった時にちょっと戻りやスライドが緩いようにも見えました。なのでガンバが攻めてるんだけどエスパルスもボール持ったら攻撃できる、そんな感じになってますね。言い方は悪いのですが、ちょっとお互いぐだぐだというか...。
ガンバは74分にヒュメット選手に代えて満田選手。
エスパルスは77分にサイドバックをパク選手から北爪選手に。そして小塚選手に代えてステファンス選手を投入しました。ステファンス選手が右ワイドに入って、松崎がトップ下もしくは左のインサイドハーフかな。宇野選手が保持時に右インサイドハーフ、非保持の時はボランチみたいなポジションですね。
82分にエスパルスが1点を返します。北爪選手のクロスをファーでカピシャーバ選手が折り返して北川選手のゴール。
— hirota (@hipokotms) 2026年3月3日
ガンバは非保持でボールサイドに絞るので、サイドバックが空くことは前半からありました。前半、パク選手にボールが渡るとフリーで、北川選手にパスを出すみたいなシーンが何度かあったと思います。
また北爪選手がクロスを上げた時にファーのカピシャーバ選手はフリーで、慌てて三浦、鈴木、倉田選手の3人が寄せたので、北川選手もステファンス選手も中央でほぼフリーになる。そんな状態になってますね。これもガンバはボールサイドにスライドするのでファーをどう見るかが、一つ問題になるかもしれません。
2点目は、奥抜選手が住吉選手に出たところから芋づる式にスペースを使われて宇野のクロスまで繋がるという流れでした。この2点目は交代で入った選手の特徴と崩しの動きがロジカルに機能していていました。

まず奥抜選手がプレスに出てきてその後ろで北爪選手がフリー。そこにガンバのサイドバック初瀬選手が縦スライドしてくるのでその裏に宇野選手が走り込む。その宇野選手のランへのカバーにボランチの安部選手が付いていって中のステファンス選手へのパスコースが空いたと。ステファンス選手は相手を背中で抑えながらボールを収めて裏に抜ける宇野へパスを出す。からの宇野選手のクロスと。
そして宇野選手のクロスをファーで受けたカピシャーバ選手がフリーでシュート。ここも1点目と同様にファーが空いてるんですね。
また宇野選手がサイドバックの裏に走った時にガンバのボランチが付いていったので中へのパスコースが空いたんですけど、これとほぼ同じ場面はその前にもあってガンバはこの場面にどう対応するか講じる必要があるかもしれません。
まあ、戦術的にどうこうもありますがガンバは全体的にスライドとか戻りが緩くなってるかなというのは感じました。そこはエスパルスにも若干言えるんですけど。
ということで90分では2-2の同点で試合は終了しました。PK戦については特に触れません。
今節も前節から改善しているなと思ったところ、依然気になるなというところなどありましたが、着々と前よりできることが増えているので次の試合を観るのが楽しみです。
ガンバの中央を素早くパス崩すスタイルもとても面白かったです。いわゆるラングニック系(以前ラングニックを研究している方のセミナーを聞いたことがあります)を体現したようなスタイルで中々興味深いなと思いました。
それでは今回はこんなところで。ではまた(そろそろ連続レビューも疲れてきたのでいつまで続くか...)。
























