あけてつなぐ

 一昔前ならパスサッカーと言えばほとんどのサッカーファンにとって理想のサッカーだったはず。しかし今は必ずしもそうではないようだ。多くのサッカーファンがパスサッカーを掲げ結果の出ないチームを見てきたからであろう。
 しかしそれはパスをつなぐこと自体がいけないのではないのだと思う。パスのつなぎ方の方法論の問題なのではないかと言うことで今回の話。
 いつも通り思いつき。では。

 2ndステージ4節、川崎フロンターレ清水エスパルスの試合よりフロンターレのパスのつなぎを見て思ったこと。
 
 
イメージ 1
  
 守備者に対峙して自分に向かってきたことによって空いたスペースを使う。

イメージ 2

 または複数の守備者の中間のポジションで受け守備者を寄せる。空けたスペースを使う。


イメージ 3
 
 3分16秒から。エウシーニョが保持者。デュークがプレスに。あいたスペースを森谷、憲剛が狙う。
 
イメージ 4
 
 エウシーニョは憲剛にパス。憲剛フリー。

イメージ 11
 
 憲剛ターン。そこにハチ(?)後ろにスペース。
 
イメージ 5
 
ハチの後ろにできたスペースに大久保。
 
イメージ 6
 
マーカーを背負った時は無理せずフリーの味方にバックパス。

イメージ 7
 
 サイドバックに戻し、敵が寄せてきたので
 
イメージ 8
 
 中央の大島に。

イメージ 9
 
 ここで憲剛が4人の焦点の位置で受け、周りにスペース作る。
 
イメージ 10
 
 あいたサイドのスペースへ。ここはオフサイドだったがフリーで受けられる味方が2人できている。
 このようにフロンターレはあいている場所に人が入るのではなく、ボールホルダーが相手を動かしそこを使い味方がフリーでボールを受けている。
 ボールを持ち、受けられる味方を探し、パスを出すのではない。持つと同時に受けることができる状態を作っている。たぶんこれが風間監督の言う「背中を取る」。
 この方法なら一見セットされスペースがないような場合でも能動的にスペースを生み出すことができる。決して力づくのパス回しをしないのである。

次も背中を取るの場面。
 
 
イメージ 12

 ケンゴがデュークを引っ張り後ろをあけて
 
イメージ 13

 大島が使う。
 
イメージ 14
 
 そのまま大島が本田に対峙。後ろをあけて、
 
イメージ 15

 大久保が使う。
 
イメージ 16

 対峙。そしてあける。
 
イメージ 17

 使う。

 風間監督は組織的な守備を作ることに無頓着なのでフロンターレはチーム全体としては粗い印象がある。しかし攻撃に関してはスペースがなくても完結させるしっかりとした方法論を持っているようだ。

 
 スペースがないと攻撃が詰まって過剰に人数をかけてしまう大榎さんの攻撃サッカーとはこの辺の違いかなと思ったので書いてみました。

おわり。