ニューイヤーカップ磐田戦 (守備、守から攻への切り替え)

昨年の最終戦から久々に観るエスパルスの試合ということで、「NYCのレビュー、画像とか使ったりしてがっつりやってやるぞー。へへへ。」などと張り切っていたのですが、よくよく考えたらスカパーは解約してるし、比較に使おうと思った去年の開幕戦の録画は消去してるしで画像取れない状態で、すっかりモチベーション下がりました(アホですな)。でも運の良い事に無料放送デーに磐田戦の再放送があったので、その画面をスマホで撮るという力技を使って進めていきたいと思います。あくまでやりたい欲望を満たすだけなので内容はそんなでもないです。あまり見直しもしてないので嘘っぽいところもあるかもしれません。ぜひご指摘を。とりあえず、いきます。

この試合、前半はチームのやり方を確かめるように慎重に、後半は変化を出して点を取りにいったように見えました。チームとしての形がわかりやすかった前半を見ていきます。
 
右SH村田、元紀andテセの2トップを中心に守備の形。
 
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逆サイドにボールがある時。しっかりスライドしてゾーンを形成。去年なら村田はたぶん青丸の辺りを浮遊(してたと思う)。
 
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中央に戻したところ。テセがジュビロCBの右を切り、左に限定。元紀は中央に留まる。中盤の守備は中央に密集。村田も門を閉めるように中央寄りにポジションをとっている。昨年だと青丸の辺りにポジションしていた(はず)。CBから中へのパスは六平と村田が挟むように狙っている。
 
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CBは左SB中村にパス。村田は中へのパスコース(白ライン)を遮断するようにコースを切りながら中村にプレス。テセも中に戻すコース(黄色ライン)を切っている。元紀は中央に。
 
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中村は同サイド前方に出てきた小林にパス。狙いを定めていた鎌田がカット。

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からのSBの裏へ目掛けてカウンター。元紀は中央から前に出て行く。
 
基本的にはこれが守備の狙いのようです。中央を閉めて、テセが相手のCBを誘導し(元紀は縦の進入を防ぐため主に中央のラインを守っています)、村田ー鎌田サイドで奪う形ですね。中のコースを遮断しているのでボールの経路がサイドに限定されそこでボールを奪っています(ちなみに左サイド、同様に追い込んだのに福ちゃんが奪えずにちぎられる場面が...。守備の前提が崩れるので気をつけましょう)。この時、前線の守備での役割はシンプルで、テセはボールをサイドに限定すること、元紀は中央縦ラインを防ぐこと、村田はまず中を固めてサイドバックに出たら素早くコースを遮断しながらプレスに行くこと、みたいな感じじゃないかと思います。このように守備のやり方というのはとても明確に整理されています。そしてこの形は前線の選手を低い位置に下げずに守ることが出来るというメリットを生み出しています。
 
切り替え局面を見ていきましょう。
 
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まず先ほどの場面。村田サイドで奪ってそのまま左SB中村の裏を狙ってカウンター。守備があまり得意ではない中村側で攻めさせることにより、奪った後に攻撃するためのスペースを作りだしている。カウンターに限らずこのスペースは狙っていたよう。

次。テセ、元紀の守備。

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テセはサイド深くまでヘルプ、元紀は前に残っている。

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別の場面。同じくテセは下がってプレスをかける。
 
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元紀のプレス。相手のCBへ。
 
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中盤ラインの前に進入してきた相手へプレス。
 
このように、テセの守備範囲は相手のCBの位置から、中盤守備の綻びをカバーするようにサイドの深い位置まで及んでいます。一方、元紀は下がってもハーフウェイライン、しかもピッチの中央でサイドまで出てくることはほぼありませんでした(少なくとも前半は)。このテセ、元紀の守備位置というのはそのまま攻撃に繋がるという意味を持っていまして、それが下の場面。

元紀の守備位置が攻撃に繋がった例。例えば上の画像の場面の続き。
 
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元紀が 奪ったところから、
 
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村田に預け、そのままDFラインの裏へ。ここでは通らなかったのですが元紀に出ていればシュートまで持ち込めるチャンスとなったと思われます。
 
もう1つ。

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こぼれ球をテセが競う。

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そのまま奪い、左サイドをドリブル。前にいた元紀はゴール前に。

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テセにCB大井とCH上田。白崎がCB間に走りもう1人のDFを引き付ける。その裏に元紀が向かう。中村たいたいの裏が開くのはデフォみたいなものなので特に説明無しで。

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元紀のシュート(外れましたが)。

チャンスメイクは他の選手に任せ、元紀は点を獲る場所を狙っています。元紀を守備で下げないというのは、得点を獲る役割を与えていたためでチームの仕組みとしてゴールに近い位置に元紀を留めておきたいからだと思われます。カウンターのみならず後ろから繋いでゴール前まで運んだ場面でも元紀はチャンスメイクよりシュートを打つ場所を狙うことを優先していて、チームとして元紀に点を獲らせる仕組みになっているのは間違いないと思います。大切なのは元紀が守備をさぼるからテセがその穴埋めをしているのではなく、元紀も勝手にシュートばかり狙っているのではないということです。チームとして攻守が上手く繋がるような仕組みが作られていて、その中の役割として各々の仕事をしているわけです。元紀も与えられたエリアでは守備をしっかりしているし、得点を獲るという仕事がこなせなかったら、別の仕事に変えられるかポジション自体失う可能性もあるはずです。


今年初めて見るエスパルスの試合でしたが、指導1ヶ月弱にもかかわらず、まず守備が整っていることに驚き、さらに守備を整理することで攻撃の形にも繋げている事に非常に好印象を持ちました。ただ前半の狙いが表れているところだけを切り抜いたので良いところだけみたいになっていますが、実際はシュート数では相手に上回れているし、結果も0-1で負けています。まだまだチームとしては完成しておらず、これから積み上げていくということでしょう。ただチームとしての基本的な形、どのように攻めて、守るか、その攻守をどう繋げるかの設計図はすでに描けているようです。この後その設計図を元にどんなチームが出来上がっていくのか楽しみでわくわくしています。

他にも書きたいことはありますが、だらだらしそうなので(すでに長いか...)これで終わります。

(追記)
1人の選手に頼るのでなく組織で戦うチームになっているのですが、唯一代わりが見つけづらいのがテセのポジションだなあと思っていたら、なんとテセが怪我をしてしばらく治療に専念することに。2トップの組み合わせが、(点を獲る選手)+(相方の分も守備をして、ボールを収めて、チャンスを作り出す選手)だとすると思いつくのが白崎君くらいなんですよね。実際、後半最後の組み合わせは白崎+加賀美(点獲る選手)になってるので、この試合のままの役割でいくならテセの代わりは白崎くんかなと思います。役割や仕組みを変えるかもしれないのでどうなるかはわかりませんが。とにかく他にも能力の高い選手はいるので大丈夫だとは思っています。