2021年明治安田生命J1リーグ第6節柏レイソルvs清水エスパルス 観戦メモ

試合結果

柏レイソル1-2清水エスパルス

得点

4’鈴木義宜(清水)

28’チアゴサンタナ(清水)

66’神谷優太(柏)

三協フロンテア柏スタジアム/雨/気温19.5度)

スタメンと配置

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左利きは三丸

選手交代

清水 34’奥井(ヴァウド)、70’中山(金子)、70’後藤(カルリーニョス)、85’河井(宮本)、85’チアゴサンタナ(ディサロ)

柏 46’染谷(上島)、46’神谷(椎橋)、59’鵜木(イッペイシノヅカ)、80’高橋(三丸)、80’仲間(サヴィオ

 

 まず柏の保持。CBが持つと左SB三丸はサイドの高い位置。右SB古賀はあまり高い位置を取らない。そして左のCB脇にCHが降りることが多い(主に椎橋)。

 左SHサヴィオは内側にポジション取り、クリスティアーノは張ったり入ったり。2トップは細谷が前に張り、イッペイシノヅカは降りたり左サイドに流れたりと間に顔を出す動きをしていた。

 柏のCBは持ち運んで前をうかがうことはあまりしない。右SBの古賀や脇に降りる椎橋からボールの前進を狙うことが多かった。

 清水のファーストディフェンスは相手CBが後方中央で持つ時は積極的にプレスにいっていない。2トップは中央からの縦パスやアンカーの位置にいるヒシャルジソンを消すポジションを取っている。

 ボールが古賀に入ると左SH金子が積極的にプレスに出ていく。右SH西澤は三丸が上がるとそれに合わせて低い位置まで下がっている。なので2トップと西澤の間は空きがち。そこを椎橋に運ばれた時は河井が前に出てスペースを埋めている。清水の守備基準を大雑把に表すと下の図のようだ。

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 先に述べたように柏のCBは基本持ち運びをしていない。またCHがブロック内の間で受けて中央でゲームを作る動きはしない。柏の特徴はサイドからの攻撃。サイドの高い位置で右はクリスティアーノの右足、左は三丸の左足を生かしたいようだった。

 上に書いた清水のファーストディフェンスは柏のビルドアップのスタートを目詰まりさせるような挙動だ。ボールを持つ時間が長い柏だったが、両SBと脇に降りる椎橋を塞がれ上手く前にボールが入る場面は少なかった。

  柏のチャンスに繋がるのは後ろから長いボールを入れ、落としをシノヅカが受けて間を使われた時だった。清水の両SHはSBをケア、CHの1枚河井が椎橋を見るので少し中盤が空き気味。

 清水のCBは基本ゴール前から動かないのがこれまで観た試合での特徴だ。しかしこの試合の鈴木はサイドへのスライド、前への追撃とかなりゴール前から動いている。おそらく上でかいたようなシノヅカの動きをケアするため与えられていたタスクではないかと思う。

 この試合の清水は相手の保持の形に合わせて人基準度合いが強いを守備をしている。それぞれに役割が明確に与えられているような動きだった。これはこれまで見せてきた守備のやり方とはだいぶ様子が違っていた。 

 次に清水が保持した時。後ろで持つと早めに前に入れていく動きが多かった。2トップへのくさびや、中盤の選手へも相手の2列目を越えるようなダイレクトなボールを入れている。SBは中に入ってビルドアップのサポートをせず基本はサイドを上下動。ここからも後ろでの保持は意識していないのがわかる。

 前へダイレクト、もしくはサイドからの前進。これらは柏の前線の激しいプレスからのショートカウンターを外す意図があったのではないだろうか。推測。

 この試合での気づき。表面に見える型だけを見ていてはロティーナのサッカーを理解できない。ロティーナはまず相手の強みを消して試合を有利に持っていく。そしてそれに対応するためのプランを練り、適した選手を起用する。試合の状況自体を作り出している。この試合、これまでと違いワイドアタッカーを置かない4-4-2で挑んだのはそのような意図からではないだろうか。

 言いたいことは概ね以上。でもせっかくだから後半の様子も書いておく。

 後半開始と同時に柏は選手交代。椎橋に代えて神谷、上島に代えて染谷。システムは4-1-4-1のような。

 神谷は右サイドにボールがある時、下のように金子を古賀とはさむような位置を取っていた。(言い換えると金子と竹内のライン上)

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  神谷はこのライン上やラインから下がって受ける。また大南が持った時はラインから上がって大南をフリーにしたり。神谷のポジショニングで竹内、金子のラインが影響されて少しフリーができてきた。後半はこの神谷を中心にボールを運ぶことができている。また後半はDFラインに中盤が降りずCBだけでボールを動かす。後半入った染谷はボールを動かせる選手に見えた。よって左サイドも前半に比べスムーズになってきている。

 66分、古賀から細谷。細谷のラストパスを神谷が決め柏が1点を返す。しかし後は清水が選手交代を絡めて反撃を断ち切り2-1で試合を終わらせた。