カウンター失敗と2点目~松原后のプレーより

 前回、正対という視点からエスパルスセンターバックのプレーを見てみました。センターバックの2人は正対が出来ていませんでした。
 では他の選手はどうか。DAZNだとスローが使えないので詳細に見るのが難しいのですが、ただ1人だけはっきりわかった選手がいました。それは松原くんでした。
 僕はこれまで松原に対して「みんなが言うほど大したことないじゃん」と思っていたのですが、それは僕の目が節穴なだけだったようです。彼がチャンスを作り出すのには技術に裏打ちされた理由があったようです。(松原くん、これまでごめんなさい)

 彼のプレーは得点に直結することが多いです。横浜FM戦での、ある2つのプレーを見て見ましょう。

 1つ目は33分。松原にボールが渡りカウンターに移行した場面。松原が右サイドをボールを持って上がり、テセと長谷川が中央をゴール前に向かい上がります。

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 松原が中澤に対して正対しています。彼はボールを持つとこのように対面の選手に向かっていくようにボールを運んでいきます。
 このとき長谷川は①のようにファーに流れていきます。しかしこの時、有利になっているエリアは中澤の後ろ。なぜなら松原が正対して中澤をピン止めしているからです。
 この時、②のコースに入れば実質的には中澤は消えているので長谷川はフリーで裏を取れたはずです。もしその後ろのDFが付いてくれば、今度はテセが空くのです。
 しかし結局、せっかくの優位の場所を使えずカウンターは失敗します。

 次に同点に追いついた2点目。69分。

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 まず松原が正対から相手を止めてからドリブルで中に入ってきます。そしてデュークにはたき、ペナ角の辺りでリターンを受ける。

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リターンを受けた松原は中を向き、それに中澤が対応します。これで中澤はピン止め状態。テセがシュートを撃ったのはその後ろのスペース。

正対することで相手のディフェンスを止め、その回りのスペースを使っていけば、優位な状態でボールを繋げていけます。
個人の技術とチーム戦術は別のものではなくて、お互いに繋がっているものなんですね。

松原個人については足元の技術がそれほど高いわけでも、断トツのスピードがあるわけではありません。それでもドリブルで抜いてチャンスを作り出します。
それは単に勢いだけでなく、正対という技術を使い相手をコントロールしているからだということがわかりました。

ちなみにFマリノスだと斉藤と中町。この2人は正対して相手を止めた上でインサイドキックも正しく使っていました。上手さには理由があるなと新たな発見です。

またぼちぼち今までと違う視点を覚えて試合を見ていこうと思います