プレッシング

広い池で魚を捕まえるとします。
魚は池を不規則に泳ぎまわっています。

僕は袋状になっている網を池のあるところに仕掛け固定します。仕掛ける場所は手前でも奥でもOKです。
このまま放置して網に入るほど魚も間抜けではありません。
そこで僕はタモを持って魚を網に誘導するように追い立てます。
魚はタモにすくわれないようにタモを避けて泳いでいきますが残念その先には仕掛けられた網があります。こうして僕は見事魚を捕まえましたとさ。

これは「プレッシャー」と「プレッシング」は違うというある文章を読んで僕なりに解釈したものを例え話にしてみたものです。
タモで追う行為がプレッシャー、網を張って魚を誘導していく仕組みをプレッシングと言うのではないかという解釈です。
こちらの守備が数的優位になるようなボールを奪うゾーンを設定して、ボール保持者に対してそこへ追い込むようにプレッシャーを掛けボールを相手から奪う行為全体をプレッシングというのではないかということです。

こう考えると、色々な試合を見るときこのチームはどこに網を張っているのかどこでプレッシャーをかけてどういう方向に誘導していってるか見方が鮮明になってきました。

エスパルスはどうだったか。網の掛け方が曖昧でタモだけで一生懸命、魚を直接すくおうとしていたように見えます。

高い位置でのプレッシングとがむしゃらに高い位置で追いかけ回すいわゆる気持ち守備は違います。
高い位置でのプレッシングは相手陣内の高い位置に網を張りそこに追い込むように相手のDFラインへまでプレッシャーをかけて絡めとる守備。
がむしゃら気持ち守備は、網と関係無い位置、または網自体を張らずプレッシャーだけで奪おうとする守備。直接タモだけで魚を追いかけるようなものです。
相手の技術が低ければタモでもボールを奪えるでしょう。しかしタモを交わされたら魚は広いスペースへ逃げていってしまいます。

日本人は守備戦術が..と海外の指導者に指摘されたりしますがこの辺のプレッシャーとプレッシングの曖昧さもその一つかなと思ったりします。